『歴史の時々変遷』(全361回)243“八尾・若江の戦い” 「」江戸幕府と豊臣家の間の大坂の陣

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『歴史の時々変遷』(全361回)243“八尾・若江の戦い”
「」江戸幕府と豊臣家の間の大坂の陣(大坂の役)のうち、1615年(慶長20年)に発生した大坂夏の陣における戦いの一つ。豊臣方は、大坂城が大坂冬の陣ののち堀をすべて埋められてしまったため、夏の陣では城を出て戦わざるをえない状況になっていた。幕府軍は河内方面、大和方面および紀伊方面より大坂城に迫った。河内方面隊は藤堂高虎、井伊直孝を先鋒とし本多忠朝、前田利常、松平忠直など総勢55,000の兵で構成されており、立石街道から道明寺へ向かっていた。そのあとに徳川家康、秀忠ら本営が続いた。5月2日、豊臣軍では、河内口から来る幕府軍に対し、大坂城東方、大部隊の機動には適さない低湿地帯で迎撃することにし、木村重成の兵6,000が大坂城を出発した。長宗我部盛親、増田盛次の兵5,300もそのころに出発したと思われる。5月5日朝、木村重成は今福方面を視察し、こちらに幕府軍が来襲する可能性は低いと見た。そこで徳川家康・秀忠本営に側面から迫るべく、若江に兵を進めることにした。5月6日、木村重成は午前0時頃には出発したいと考えていたが、兵の集結が遅れ、午前2時頃にようやく出発できた。途中道を間違え沼地で立ち往生するなど、木村自身や兵の練度に問題があり、進軍は順調にはいかなかった。午前1時、井伊直孝は部隊に命令して食事させ、進軍の命を待たせた。午前4時頃、藤堂勢の右先鋒藤堂良勝が若江に向かう豊臣軍を発見した。幕府軍は勝手な戦闘は慎むよう命令されていたが、藤堂高虎は良勝の「豊臣軍は、家康・秀忠の本営への攻撃を企図しているのではないか、ただちに攻撃するべきだ」という進言をうけ開戦を決断、各隊に進撃を命じた。萱振村に進んできていた長宗我部勢先鋒吉田重親は、藤堂勢中備藤堂高吉の攻撃をうけた。吉田は本隊に対し攻撃を受けている旨伝令し、応戦したが壊滅、吉田は戦死した。吉田の知らせをうけた長宗我部盛親は、長瀬川で迎撃の体勢を取った。
藤堂勢の左先鋒藤堂高刑、桑名吉成は道明寺へ向かう先頭にあったが、転進、玉串川を越え長瀬川の長宗我部盛親本隊に迫った。高虎の旗本藤堂氏勝もそれに続いた。盛親は騎馬武者もすべて下馬させ、槍を持たせて堤防の上に伏せさせた。藤堂勢が充分近づいたところで一斉に立ち、槍を入れさせた。 藤堂勢は壊乱し、藤堂高刑、桑名吉成は戦死、藤堂氏勝は負傷したが、退却中に死亡した。藤堂高吉も来援するが、長宗我部勢に圧倒され、撃退された。正午頃まで戦闘は続き、小康状態になったところで長宗我部勢は長瀬川堤で陣を整え、休息した。そこへ若江の木村重成の敗報が届いた。敵中での孤立をおそれた盛親は大坂城へ撤退した。午前5時頃、木村勢は若江に着陣、先鋒を3手に分け、敵に備えた。その右手に藤堂勢の右先鋒、藤堂良勝、同良重が攻撃をかけた。藤堂勢は兵の半数を失い敗走、藤堂良勝、良重は戦死した。 木村は玉串川西側堤上に鉄砲隊を配置し、敵を田圃の畦道に誘引して襲撃しようともくろんだ。午前7時頃、井伊直孝は若江の敵への攻撃を決断、部隊を西に転進させた。井伊勢の先鋒は右手庵原朝昌、左手川手良列。木村勢を発見した川手は、玉串川東側堤上から一斉射撃後、敵に突入した。堤上にいた木村勢は西に後退し、堤は井伊勢が占拠した。川手はさらに突進したが戦死した。そこに庵原も加わり激戦となった。木村重成は自身も槍を取って勇戦したが戦死した。山口弘定、内藤長秋も戦死し、木村本隊は壊滅した。それまで戦闘を傍観していた幕府軍の榊原康勝、丹羽長重らは味方有利と見て木村勢左先手木村宗明を攻めた。宗明は本隊が敗れたため大坂城へ撤退した。藤堂勢および井伊勢はこの戦闘で大きな被害を受け、翌日の天王寺・岡山の戦いの先鋒を辞退せざるをえなくなった。松平忠直は(勝手な戦闘は慎めという命令を素直に守り)この戦闘を傍観していたことを家康に叱責された。結果的に、これが翌日の天王寺・岡山の戦いでの抜け駆けの誘因になったといわれる。長宗我部盛親は八尾の合戦かその後退時に、大損害を受け実質壊滅したと考えられる。事実、翌日の天王寺・岡山の戦いでは盛親は大坂城に留まり、戦闘には参加しなかった。



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侏儒のつぶやき

Author:侏儒のつぶやき
趣味歴史。歴史研究会に参加。フェイスブック「史跡探訪と歴史の調べの会」管理。
著書多数。歴研出版より「平安僧兵奮戦記」自費出版「古事記が語る古代の世界」「古事記が描く説話の憧憬」『芭蕉紀行世情今昔』他多数。

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