史跡を巡る歴史の憧憬               川村一彦

『歴史の時々変遷』(全361回)84「文永・弘安の役」文永4年(1281)公安4年(1281)の二度に渡る元のフビライハンによる日本征伐の内

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「文永・弘安の役」文永4年(1281)公安4年(1281)の二度に渡る元のフビライハンによる日本征伐の内、北九州湾岸地域が侵攻された軍事衝突を言う。当時異国合戦・蒙古襲来などと呼ばれており、「文永・弘安の役」は幕末・近代以降は、国防意識の高まりの中、元の侵略性を強調するために定着した用語。フビライは1268年以来6度の使いを派遣、日本服属の要求をしたが、鎌倉幕府によって無視しされたために侵攻を決意。1273年に高麗三別抄の反乱を鎮圧すると、翌1274年に元・高麗連合軍3万数千人を擁して、対馬・壱岐を占領し、1020日未明に博多湾巖に上陸した。毒矢「てつはう」(炸裂弾)など見慣れない武器と統率のとれた集団戦法を駆使する元軍の前に、日本軍は苦戦し大宰府近くまで退却させられた。しかし同夜、海上の船に引き上げた元軍は、夜半の暴風によって大きな被害を出して高麗に退却した。この戦争の過程で、幕府は初めて本所領家一円の住人を軍事動員し、同時に全国に寺社勢力に対しても公的立場で異国降伏祈祷を命じた。武士被官・京都被官の寺社・武士を問わず全領主階級を指揮する責任を担ったことになる。1276年春、幕府は海防の強化を目的とした高麗出兵計画により、九州武士を動員し、その一環として湾岸に石築地を構築し前線基地として整備された。一年3カ月ずつ九州各地に分配して、博多周辺を警備するようになった。1279年に南宋を滅ぼしたフビライは、モンゴル人・朝鮮人から構成された高麗の東路軍4万人、中国人からなる江南軍10万という文永の襲来以来とは比べ物にならない規模の大軍をもって、1281年に第二次征伐軍を実施した。5月に高麗の合浦を出航した900艘余の東路軍は、対馬・壱岐を占領して、300艘を長門に向かわせた。主力は66日に博多湾にに到着した。ここで、幕府軍と海路において交戦したが、上陸を断念し壱岐に退いた。一方、江南軍の大船団3500艘、予定より二週間遅れて7月に慶元を出発し、平戸付近で東路軍と合流して26日伊万里湾の島を占領した。しかし30日夜半から71日にかけて台風接近により、海上の元軍は壊滅的な打撃を受けて、高麗に退却した。元軍の敗因として、異民族混成軍よる士気の低下やサボタージュ、海戦に対して無知で慣れない統制不足などが指摘されている。一方、近年の研究で、江南軍は最新鋭の巨大軍艦を持ち、海上戦に熟練した南宋の指揮官が積極的に指揮したこと、また服属民族の混成軍は全世界から見ても見られることで、元軍の敗因は再検討が必要と言われている。この戦闘の直後、幕府は再び高麗出兵を計画し、本所一円地住人と寺社勢力の軍事動員の継続、大和・山城国の悪党の軍事動員を朝廷に認めさせた。この時期。朝廷は、弘安の役の終結を受けて、幕府による一連の有事体制を継続しょうといういう幕府の首脳の制作であった。フビライによる日本征伐の計略は継続し、サハリリのアイヌや琉球への元軍侵攻が行われた。幕府も異国征伐の機関として博多に鎮西探題を設置するなど軍事緊張は続いた。二度の対モンゴル人内部の抗争によって、結局日本征伐は実現はしなかった。二度の対モンゴルの戦争で、律宗を中心に寺社勢力は「台風は神々が化身して現れたもの」と宣伝して、幕府・朝廷も寺社興行法を発令した。寺社の貢献に対して恩賞を与えた。また幕府は、この戦争を背景に寺社勢力や本所一円地住人らも支配権を強めて、その中から将軍権力の下に全領主階級を結束させる政治路線が生まれた。★歴史の変遷をたどれば時代を制した英雄伝説にも、栄枯盛衰の定理を教える。

 

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Author:侏儒のつぶやき
趣味歴史。歴史研究会に参加。フェイスブック「史跡探訪と歴史の調べの会」管理。
著書多数。歴研出版より「平安僧兵奮戦記」自費出版「古事記が語る古代の世界」「古事記が描く説話の憧憬」『芭蕉紀行世情今昔』他多数。

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