『歴史の時々変遷』(全361回)77“和田合戦” 「和田合戦」鎌倉時代初期の建暦3年(1213)5月に鎌倉幕府内で起こった有力御家人和田義盛の反乱である

和田1『歴史の時変遷』(全361回)77“和田合戦”

「和田合戦」鎌倉時代初期の建暦3年(12135月に鎌倉幕府内で起こった有力御家人和田義盛の反乱である。鎌倉幕府創業の功臣であり侍所別当の和田義盛は二代執権北条義時に度重なる挑発を受けて、姻戚関係にあった横山党や同族の三浦義村と結んで北条氏を打倒するための挙兵をした。だが、土壇場で三浦義村は北条方に与し、兵力不足のまま和田一族将軍御所を襲撃し、鎌倉で市街戦を展開する。合戦は2日間にわたり続くが将軍実朝を擁し、兵力に勝る幕府軍が圧倒し、和田一族は力尽き、義盛は敗死した。この合戦の勝利により、北条氏の執権体制はより強固なものとなる。義盛が上総国伊北荘に下っている最中に、鎌倉では事件に関係したとして義盛の子の義直義重、甥の胤長が逮捕された。鎌倉へ戻った義盛は将軍に一族の赦免を嘆願。義盛の多年の勲功に免じて子息の義直・義重は赦免され、まずは義盛の面目は立った。義盛は和田一族98人を引き連れ、御所南庭に列座して甥の胤長の赦免を嘆願した。大江広元が現れ、胤長は事件の張本人であるので許すことはできないとし、和田一族の面前で縄で縛りあげた姿を引き立て、預かり人の二階堂行村に下げ渡した。これは義盛ら和田一族にとって大きな屈辱であった。胤長は陸奥国岩瀬郡への流罪と決まる。216歳になる胤長の娘が悲しみのあまり病になり、息を引き取った。和田一族は胤長の処分を決めた執権北条義時を深く恨んだ。罪人となった胤長の鎌倉の屋敷は没収されることになり、義盛は罪人の屋敷は一族の者に下げ渡されるのが慣例であると将軍に乞い、これは許され、義盛は久野谷彌次郎を代官として屋敷に置いた。ところが、とつぜん義時は旧胤長屋敷を泉親衡の乱平定に功績のあった金窪行親忠家に与えると決め、義盛の代官を追い出してしまった。重ね重ねの義時の挑発に義盛は挙兵を決断する。この挙兵に将軍実朝の近臣だった孫の朝盛は反対し、主君に弓矢を向けられないと剃髪出家して京都へ出奔するが、これを知った義盛は密事が漏れると激怒し、義直に追わせて連れ戻させた。これらの騒ぎで、義盛挙兵の流言飛語が飛び交い、鎌倉は騒然とした。事態を憂慮した実朝は宮内兵衛尉公氏を義盛の屋敷へ送り、真意を問いたださせた。義盛は「上(実朝)に恨みはござらん。ただ相州(義時)の傍若無人の仔細を問いたださんがために用意している」と答えた。義盛は和田一族の他に、縁戚の横山党波多野氏、そして本家筋にあたる有力御家人の三浦義村と一味同心し、義村は起請文まで書いていた。義盛ら和田一族は決起し、150騎を三手に別けて大倉御所の南門、義時邸、広元邸を襲撃した。義時邸、広元邸は留守の人数しかおらず、これを蹂躙。和田勢は大倉御所を囲んで一斉に攻めよせ、御所に火が放たれ、警護の武士と攻防になった。ここへ幕府側へ寝返った三浦義村も来援し、北条朝時らとともに御所を守った。和田勢で最も奮戦したのが、義盛の三男・朝比奈義秀で、惣門を打ち破って南庭に乱入して、幕府方の武士を次々に斬り倒した。『吾妻鏡』は義秀の奮戦を「神の如き壮力を明らかにし、彼に敵する軍士に死を免れる者無し」と称賛している。御所が炎上する中で実朝は辛うじて法華堂へ脱出した。和田勢は日が暮れるまで戦うが、幕府方には新手が次々に加わり、矢種も尽き、人馬も疲労して退き始めた。足利義氏ら幕府軍は勝ちに乗じて攻めかかり、剛勇な義秀をはじめとする和田勢がこれを必死に防いで由比ヶ浜へ退却した。夜が明け始めた翌3、由比ヶ浜に集結していた和田勢の元に山時兼らが率いる横山党3000余騎が参着。和田勢は勢いを盛り返した。曾我中村二宮河村などの相模・伊豆の御家人たちの軍勢が武蔵大路から稲村ヶ崎に陸続と現れた。敵か味方か分からず幕府軍は狼狽するが、大江広元が将軍実朝の名の御教書を作成させ、使者を送り、浜辺の軍勢に示めさせた。御家人たちは帰趨を明らかにして、一斉に幕府方につく。和田・横山勢は再び鎌倉に突入。北条泰時時房らが守る若宮大路を中心に市街各所で激戦となった。ここでも義秀が奮戦し、先頭に立って突撃し、敵を追い散らすが、新手を繰り出してくる幕府軍に対して、和田・横山勢は次第に疲弊し、数を減らして行った。、義盛の愛息義直が討ち取られ、悲嘆した義盛は、「今は戦う甲斐もなし」と声をあげて大泣きした。そこへ江戸義範の郎党が襲い掛かり、義盛は討ち取られた。子息の義重、義信秀盛も討ち死にした。朝比奈義秀はこの場を脱し、船6艘、兵500騎とともに安房国へ逃れたと伝えられる。朝盛も生き延びて京に逃れた。横山党も潰走して勝敗は決した。★歴史の変遷をたどれば時代を制した英雄伝説にも、栄枯盛衰の定理を教える。

 

 

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侏儒のつぶやき

Author:侏儒のつぶやき
趣味歴史。歴史研究会に参加。フェイスブック「史跡探訪と歴史の調べの会」管理。
著書多数。歴研出版より「平安僧兵奮戦記」自費出版「古事記が語る古代の世界」「古事記が描く説話の憧憬」『芭蕉紀行世情今昔』他多数。

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